自衛隊がテーマの小説をお探しなら、神家正成の本『深山の桜』はいかがでしょう?

深山の桜(みやまのさくら)は、南スーダンにPKO派遣された陸上自衛隊施設科の活動内容をテーマとした、いわゆるミステリー軍事小説です。

元自衛官だからこそ描ける、圧倒的リアルとは!

2016年3月4日・文庫本になりました

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深山の桜・神家正成(かみやまさなり)

第13回・このミステリーがすごい大賞・優秀賞受賞作

週刊文春ほか各紙紙で話題

南スーダンの自衛隊宿営地で頻発する事件を、定年間近の准尉と若い士長のコンビが追う。

リアル!

実際に、南スーダンへは現在も自衛隊が派遣されています。

南スーダンは、アフリカの東より中央部に位置する、2011年に独立した新しい国家です。政情が不安定なため、国際連合平和維持活動として国際連合南スーダン派遣団が派遣されていて、自衛隊施設部隊も約350人ほど参加中です。

この本を読めば、政情不安定な国家に派遣された、自衛隊PKO部隊の置かれている現状や苦悩が、リアルによくわかります。

著者は元自衛官

神家正成はペンネームですが、中学校を卒業後、少年工科学校(現、高等工科学校)をへて、機甲科隊員として北海道で74式戦車に乗っていた、元自衛官です。「3等陸曹で依願退職」

Shoko

少年工科学校在学中、自衛隊観閲式パレードにも参加(旗手が本人)

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74式戦車

宣伝乙!

著者の事を詳しく知っているのは、わたしの弟だからです。

小説に出て来る、亀尾准尉のモデルは自分の父親ですね。多分ね。父親は勤続35年と勤め上げた、退役自衛官です。

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送ってくれた文庫本には、なにやらメモがついてました。

メモの内容はリアルすぎるので、軍機扱いにします(笑)

小説の内容

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「背表紙より」

日本から約一万二千キロ、アフリカ大陸。国際連合南スーダン派遣団の第五次派遣施設隊内では盗難が相次いでいた。定年間近の自衛官・亀尾准陸尉と部下の杉村士長が調査に乗り出すが、さらに不思議な事件が連続して発生する。果たして相次ぐ事件は何を意味するのか。日本から特別派遣されてきたオネエの警務官・植木一等陸尉も調査に加わり、事件の謎に挑む。

静から動へ

前半は自衛隊の内部のことなど知らない人向けに、階級の話や隊員の日常話などが続きますので、自衛隊に詳しい人には少し退屈かも。いわゆる物語の背景が丁寧に説明されています。

後半になるにつれ、徐々に動きが高まり、急展開、ラストは圧巻のアクションが待っています。

書評

「文庫本オビより」

題名の”深山の桜”は、与えられた任務を黙々とこなす自衛隊員の姿を、だれも訪れない山奥で人知れずひっそりと咲く桜の花になぞえたもの。

自衛隊の海外派遣や安全保障についてはさまざまな立場があるだろうが、そうした立場の違いを超えて、与えられた場所でベストを尽くす人々の誇りを正面から描き、読者の胸を打つ。(大森望・解説より)

読んだ人の反応

Twitterでは?

Amazonでは?

Amazonからは転載出来ませんが、今のところ口コミは4つ。

5と4と1があります。

おまけ付き

購入者は、物語の余韻にひたれる『掌編』という後日談的な小冊子がもらえます。(詳しくは著者サイトで)

贔屓目に見てもおもしろい!

贔屓目に見てもつまらない。と書こうとしましたが、いやいや、なかなか面白いですよ。特に後半の急展開は手に汗にぎるアクションで、マイクルコナリーの小説を読んでるようでした。

(ちょっと、言い過ぎました)

普段、あまりスポットライトが当たるとはいえない、現場の自衛官、自衛隊の活動内容もリアルにわかります。

自衛隊や、ミステリー、アクション小説が好きな方。又、国際社会における日本国自衛隊の立場、貢献度、国の安全保障と法整備の問題点などを知りたい方にも、オススメの小説です。

第二作・七四

ミリタリー捜査サスペンス、第二弾

先日発売されました。タイトルは、七四(ナナヨン)

富士駐屯地所在の完全密室状態にあった74式戦車内で見つかった死体!単なる自殺と思われた事件だったが、内部からの告発により、殺人の可能性があるという。中央警務隊より捜査に出向いた、女性自衛官・甲斐和美三等陸尉は、不可解な事件・自衛隊組織の暗部に迫る事になり・・・。

というストーリーです。法改正により今は高等工科学校となってしまった、以前の少年工科学校にまつわるエピソード、又、なんといっても実際に74式戦車に乗っていた人間だからこそ書ける戦車の内部・操作・操縦などがとてもリアルティーで面白く、こちらもオススメです!